SIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はSIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法を読んだ感想です。

(2021年出版)

 

自分の能力を最大限に活かして死にたいと思っています。そのためのヒントがあると思い、読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

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著者は?

著者はチョン・ジュヨン氏です。

チョン・ジュヨン氏は教師の一家に生まれました。将来を渇望されましたが、難読症のために挫折します。ですが、受けるシグナルを一新したことで全く違う自分に生まれ変わり、今ではベストセラー作家になりました。

著書に、毒出し「黒豆」ダイエット、ラクに50kg減、ニキビや宿便も一掃僕はまだ、三十路(未邦訳)などがあります。

 

翻訳は、鈴木沙織氏です。

児童書などの翻訳も担当しています。

 

印象に残った内容は?

人から受ける期待や失望のシグナルにより人生が変わるということを、偉人を例に紹介しています。実例があることで説得力があり、自分に生かすことができると感じました。

 

子供の時からわかる

心理学者のゲーリー・マクファーソンは、楽器を習う子どもたちに「新しく別の楽器を習うとしたら、自分はどれくらいの期間続けると思うか?」と尋ねた。

この結果、「長時間続ける」意欲を示した子どもの方が、短期間だけ習うと答えた子どもよりも、演奏の実力が実に4倍も上だということがわかった。この結果に「もともとの才能」は関係なかったという。

これは面白い結果だと思いました。子供が音楽家として生きる経験をどこかでしたというのが、この結果の考察になります。目的を持って長く続けるのが、結果を残すために大切です。

 

CEOはハンディキャップを持っている

世界に名を馳せた企業のCEOの3分の1が、何らかの学習障害を持っているというのだ。競争社会には不利だと思われる資質だが、なぜ彼らは熾烈な争いをくぐり抜けることができたのだろうか?

「私たちみたいな人間は、そもそも点数で優劣を競って敗者を決める教育システムに留まるなんて無理で、すぐにつまみ出されてしまいます。でもそれは逆に、敗者を生み出すシステムは無視していい、という大きな自由を与えてくれます」

上記言葉は、学習障害があるバーバラ・コーコランの言葉です。CEOの3分の1が学習障害を持っているのは、大きな驚きがあります。ですが、なぜ成功したかというと、周りのしょうもない人たちのシグナルを無視したということです。これがこの本の伝えたい大きなことだと思います。

特に日本では、周りの言葉を汲んで空気を読むのが重要とされます。それもあり、日本では世界に通用する人が少ないのかもしれません。しかし、本書のように、周りの意見を聞かないというのも重要だと感じます。私も周りのいらない意見は無視できるようになりたいものです。

 

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得るものと失うもの

「ナディアは従来の教育システムの中で教育を受けるにつれ”一点集中の力”を発揮しなくなり、特別な才能も失われた。ナディアの並外れた集中力は、社会生活に必要な多くの単語を身につけていくにつれて弱まっていった」

1967年10月にイギリスのノッテインガムで天才少女が生まれました。自閉症のナディア・コミンです。彼女は、幼少期から写実的な絵を書くことができ、レオナルド・ダ・ヴィンチの再来と言われました。将来を渇望された彼女は、「言葉の遅れ」を指摘され、両親は特別クラスで授業を受けさせました。言語能力は向上しましたが、彼女の絵を描く能力は普通の少女となんら変わらないようになりました。というのが、ナディアの例です。

この例から、受けるべきでないシグナルがあるということです。難しいことですが、天才になるためには言語能力は諦めた方が良いように、結果論ですが感じます。もちろん親は普通になってほしいと思いますが、言葉がしゃべれるようにしたいと思った時点で、才能は失われてしまうのかもしれません。どちらが幸せかはわかりません。普通に生きて普通に死ぬのが良いのか、異端と言われて世の中に自分の生きた証を残すのか。ですが、受けるシグナルによって人生が変わるというのは、少なくとも事実だと思います。

 

鶏口牛後

たとえワーキングメモリーが高かったとしても、自身の能力を疑う「シグナル」を受けてから難しい数学の問題を提示されると、その学生の成績は以前と同じではなくなる。

つまり、どれだけ優秀な人間であっても、一度否定的なシグナルを受け取ると、チャレンジができなくなる。それどころか、それまで普通にできていたはずのことができなくなる。「失敗しないように」と弱腰になり、それが悪循環を生む。

これも面白い結果だと思います。以前読んだダン・アリエリーの本でも似た実験が紹介されていたと思います。

不合理だからうまくいく 行動経済学で「人を動かす」を読んだ感想

たしかゴキブリで似たような実験があったと思います。ゴギブリたちに見られながら、あるゴキブリが簡単な作業をすると成功しやすくなり、レベルの高い作業をさせると失敗しやすい。つまり社会的な生物は、難易度が低いことをやるときは聴衆が多いと成功しやすくなり、難易度が高いと失敗しやすいみたいな感じだったと思います。

今回紹介されている実験は、受けるシグナルによる成績の変化でしょうか。優秀な人間は、否定的なシグナルを受けた後、プレッシャーが高いと成績が悪くなります。

みなさんも似たような結果はあるのではないでしょうか。私が思うのは、中学や高校での成績も同じように感じました。群馬では、高崎高校という高校の偏差値が高いです。優秀な子供、もしくは親は、高校受験の時はここを目指すのですが、高崎高校に入るよりも高崎高校でついていく方が大変に感じます。高校卒業時には、9割ぐらいの生徒が自分に失望しているように感じます。鶏口牛後ではないですが、優秀すぎる場所で自分をすり潰すよりも、そこそこの場所でトップになる方が、人生が変わりそうです。本書でも、ハーバード大学の似たような例が出てきます。これも受け取るシグナルが大切ということですね。

 

悪いシグナル

「劣等生である」というシグナルを受け続ければ、当然行動は制限される。ドイツの教育心理学者カロリン・シュースターは、「できない」と自己認識している人は、否定的な思考を抑え込むのに相当なワーキングメモリーを消耗すると伝えている。

これはみなさんも経験があると思います。悪いシグナルを受け取ると、何もできなくなると思います。私は大学の時と、前の会社でそうでした。大学では、毎日500回ぐらい、「使えない」「今すぐやめろ」と先生に言われ、私のあだ名は「味噌くん」でした。先生も「ミソッカスのみそくん」と私を呼んでいましたが、それによりどんどん能力は下がっていきました。当時大学では次席でしたが、その負のシグナルでどんどん能力が下がっていたのを感じます。前職でも、厳しい女性上司に「お前は仕事を舐めてる」と言われ、その後も仕事の成績はどんどん下がったのを覚えています。受けるシグナルは大切です。悪いシグナルを受けると、ワーキングメモリーを消費してしまいます。いかに悪いシグナルを受けないかが、人生を成功させる秘訣ですね。

 

良いシグナルは簡単に作れる

最初に研究したのは、社会心理学者のエリオット・アロンソンで、勉強に関して説得力のあるシグナルを学生たちに送ると、数ヶ月、または数年が過ぎても成績が上がり続けるという現象を報告した。

これは多くの人の希望になるのではないでしょうか。

この研究では、自分が最も重要視している価値を書き、さらに一段落程度の理由を書くだけです。これだけで劇的に成績が上がったそうです。

考察としては、自己価値認識をしたのが理由のようです。他人のシグナルをあまり重要でないと考え、自分で書いた価値観を認識することで、良いシグナルを自分に送ったことが良い成績に繋がったと考えられています。

 

アクションプラン

私がすべきことを書きたいと思います。

  • 悪いシグナルを受け取らない
  • 良いシグナルを自分に与える

 

悪いシグナルを受け取らない

日本で生きている限り悪いシグナルは付き纏うと思います。親に始まり、親戚、友達、同僚、上司、部下など、常に何らかの負のシグナルは発せられるかと思います。昔YouTubeをやっていた時も、想像を越す数のコメントも受けました。それらの意見を全て受け止めていましたが、必要のないシグナルは受け取らなくて良いということを、この本から学びました。自分の信念を汚す意見は真に受けないようにしたいと思います。

 

良いシグナルを自分に与える

本書では、良いシグナルが成績向上に繋がった研究成果が載せられています。その中に自分でできそうなことがあったのでやりたいと思います。以下に挙げます。

  • 自分の大事な価値観を書く
  • その理由を説明する
  • 世界がより良くするにはどうすればよいか考える

 

これらの作業をおこなった学生は、成績が著しく向上したとのことです。私も作業を実施して、自分に正のシグナルを送りたいと思います。

 

感想

世界的に成功した人の例を出しつつ、シグナルの良し悪しについて紹介しています。科学的な研究成果が併せて紹介されているため説得力はあると思いますし、シグナルは常々感じているので納得できる内容でした。

実例としては、世界的指揮者のカラヤンなどが紹介されています。彼もあまり良くない青年期を送っていましたが、悪いシグナルを無視することで世界的な指揮者になりました。

他には、ハーバード大学のエリート教授のダーショウィッツの例も出ます。この人は、高校時代はかなりの落ちこぼれでした。親も全く期待していませんでしたが、あるキャンプにボーイスカウトのリーダーとして選出された時に運命が変わります。そこで、ハーバード大学のグリーンバーグに褒められたことで、自分はできると自信を得ました。そこからは、イェール大学のロースクールでトップの成績を収めます。

それと対照的に、高校の同級生だったセイゲルは、高校を落ちこぼれのまま過ごします。そのまま肯定的なシグナルを受けないまま、得意だった電子機器いじりを生かして爆弾を作ります。そこでテロリストのシグナルを受け続け、そのまま真のテロリストになってしまいます。

 

受けるシグナルは大事です。本書から多くの例が参照されていることで、いかに受けるシグナルに人生が左右されるかがわかりました。

先人たちの実例を生かして、私も受けるシグナルを選別し人生に生かしたいと思いました。

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