前向きに考える 演奏家のためのメンタル強化術を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は前向きに考える 演奏家のためのメンタル強化術を読んだ感想です。

(2020年出版)

 

ゲームの重要どころで負けないため、メンタル強化術を読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

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著者は?

著者は矢野龍彦氏です。

公認陸上競技上級コーチです。

 

印象に残った内容は?

本書はメンタル強化術とありますが、本番で成功するための考え方に加え、日頃の練習方法についても言及されています。

 

緊張には運動が効く

しかしここで発想を転換してみましょう。生理的現象は動かずジッとしていると起きやすいものなので、自分から積極的に動くようにしてみるのです。p10

緊張時に効く運動法が本書では紹介されています。また前書のヴァイオリン骨体操などでも紹介されているようです。

 

私も経験談ですが、緊張すると手足が冷たくなるのを感じます。

そこで逆説的ですが、手足が温まれば緊張しないようにも思います。体操をすることで温まった学生は、実際に余計な不安や恐怖を感じなかったと報告しています。緊張するような物事の前に、軽い運動するのは良い対策だと思いました。

 

気持ちを切り替える

目を閉じて、鼻から息を吸いながら腹を膨らませていき、一杯に吸ったら口からゆっくりと息を全部吐きながら腹を引っ込めていくようにして腹式呼吸を行い、頭を空っぽにして気持ちの切り替えを行います。p15

気持ちの切り替え方として呼吸法を紹介しています。

自宅で練習する時、どうしても気分が乗らないことがあると思います。練習時に意識して腹式呼吸をしたいですね。

 

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失敗の練習

みんなが成功する練習ばかり行っている時に一人失敗する練習を行なっていた意味は、「失敗の感覚を自分の範囲内に入れてしまうことだ」と言っています。p53

12個のメダルを取った加藤沢男氏の練習方法です。メダルの数では、内村航平氏も凌ぐ数です。

その加藤氏ですが、失敗の練習を繰り返したとあります。

真意は、失敗の身体感覚を身につけることで、失敗しなくなることです。それ以外にも、精神的な練習にもなるのではないかとも思いました。

最近、女子フィギアでロシアのカミワ・ワリエワ選手がフリー演技で大崩れしたことがありました。彼女は、大変な状況で演技したと思いますが、さらに失敗に対する対処力がなかったのではないかとも思いました(メダル授与式ができるようにわざとの可能性もありますが……)。失敗の練習をしておけば、序盤で失敗しても持ち直せるとも感じました。自分も失敗の練習は繰り返し行いたいと思います。

 

複合練習

この練習法を、音楽にも取り入れていくとよいでしょう。普段の練習でも、1曲に取り組み、その曲が出来上がったら次の曲に取り組むというのは、効率の悪い練習法です。~中略~

そこで、いつでも複数の曲を組み合わせて練習するようにします。その複数の曲を一日2~3曲取り組みながら仕上げていくような習慣をつけるのです。p58

陸上競技には、混成競技という種目があります。全部で10種目を2日間に渡り行います。

その練習方法ですが、1日に2~4種目を練習し、1週間近くかけて全ての競技を練習します。

その練習方法に見習い、音楽でも1日複数の曲をするのがよいのではないかと本書では提案しています。

私も今あるゲームをしているのですが、1つの項目でしか練習していませんでした。そのため、1日2~3項目を練習するようにすれば、上達も早くなるのではないかと感じました。

 

スランプは凡人に存在しない

次の段階になると、階段状に上達するようになります。少し上達したら、しばらくそれが続き、また少し上達するというように階段状になっていきます。この練習しても上達しない状態を味わうのですが、これはスランプなどではなくプラトーと呼びます。スランプというのは、超一流の人しか体験しないので、我々凡人には関係のないことです。p81

スランプは誰にでも起こると思いましたが、凡人には関係ないこととは知りませんでした。

私もうまくいかないことが起こるとスランプだと思っていましたが、その度に矢野氏の発言を引用したいと思います。凡人にスランプはないです。

 

練習ノートはつけるべき

まず、ノートを一冊用意し、これを音楽練習ノート専用として使うことにします。そして、まず今日の課題は何で、どこで何時間練習したかということを記入します。課題がなく練習をするのはただの時間潰しか、不安解消の言い訳でやっているだけになるので注意してください。解決しなければならない課題があるから、練習に取り組むのだということは非常に大事なことです。課題を考える習慣がつけば、自分は何ができていて、何ができていないから何を身につける必要があるということを確認できるようになります。曲目も必要で、いつから始めた曲ということも記入しておきます。そして、終わったあとにどれだけ課題が解決できたか、次の練習への申し送りも記入します。p94

練習ノートの効用は皆知っていることだと思います。

ここでは、実際のノートの書き方が紹介されています。重要なのは、課題を解決するために練習するということです。これを意識しないとですね。

 

約束は守る

締め切りが決まっていて、逆算してどう準備していくかが問われているのです。それに間に合わなかったというのは、自分の力以上のことをできると思って約束したのか、単に甘い計画で軽くみていたかということです。どちらにしても裏切り行為には変わりません。また、相手にとっては間に合わなかった理由などどうでもよいものです。間に合わなかったという事実だけで、この人間はまったく信頼できないというレッテルを貼るだけです。p133

かなり厳しい意見に感じました。

この本を読んでいる時に、羽生結弦選手がクワッドアクセルを失敗しましたが、それも計画の甘さを示しているのでしょうか。私は挑戦することは良いことだと思いますが、このように批判するのは見当違いに感じました。全く信頼できないレッテルが羽生選手に貼られたのでしょうか。

 

朝の練習

朝は起きてしまったら猛勉強開始です。朝の授業前の1時間の練習は、夜の2~3時間の練習に匹敵します。それくらい、練習への集中力も違ってくるのです。朝の時間に練習しないで布団の中にいて、夜に疲れた身体と心で練習したところで、その効果はたかが知れています。それで、自分では練習しているつもりなのに、一向に効果が表れないということになります。そうすると面白くなくなって、お決まりの「私には才能がない」と言いだし、諦めに向かい始めます。また、私は夜型だとか、朝は苦手という人もいますが、それは単なる怠け者の言い訳です。p149

これもかなり辛辣な意見に感じました。しかし、朝練習の価値の高さはなるほどと思いました。

私は仕事終わりに練習をしたいタイプですが、この文章を読む限り練習効率は悪そうです。朝起きて練習するしかないですね。お決まりの、自分には才能が無いということにならないようにしたいです。

以前読んだやり抜く人の9つの習慣で、成功しない人は自分に才能がない、能力は変わらないという考えがあると知りました。

やり抜く人の9つの習慣を読んだ感想

 

いつでも成長できると思えるようにしたいですね。

 

アクションプラン

私がこの本を読んで実行することを書きます。

 

  • 緊張時には運動
  • 練習開始時に腹式呼吸
  • 失敗の練習
  • 毎日複数の練習をする
  • 練習ノートで課題を明確化し練習
  • 朝練をする

 

緊張時には運動

緊張すると私は手が冷たくなり、行動が鈍くなります。そうならないように、競技前には簡単な運動で体を温めたいと思います。

 

練習開始時に腹式呼吸

どうしても、練習時や仕事の時に気分が乗らない時があります。その時は、腹式呼吸で練習に取り組みたいと思います。

 

失敗の練習

これは失敗時に適切な対応ができるようにです。

トッププレイヤーは失敗の後のカバーも素晴らしい対処を見せます。

そうできるように、失敗をわざとしてカバーする練習もしたいですね。

 

毎日複数の練習をする

これは練習の効率化のためです。

普段1つの項目でしか練習していないので、2~3項目練習し集中力を維持できるようにしたいですね。

 

練習ノートで課題を明確化し練習

練習は課題を克服するためにあります。

日々練習ノートに記録をつけ、練習に活かしたいと思います。

また、スランプに近い状態になったら、ノートを見直して解決したいですね。凡人にはスランプはないので、そのようなこともあまりないとは思いますが。

 

朝練をする

今回一番したいのが朝練ですね。

私は9時間睡眠が必要なので、かなり朝練は難しいです。家族で生活するとある程度縛りがあり、自由に生活できません。

一人暮らしの時は、15時にシャワーを浴び、16時には夕食、20時には寝れました。そして、5時に起き、12時まで朝練といった感じで練習できていました。しかし、現在はできていないので、これも生活を変えられるように自分の家を建て、生活を戻したいですね。まずはヘルニアが治らないと何もできませんが。医者にも治らないと言われたので、八方塞がりですが。

 

感想

音楽家のための練習方法が紹介されています。その練習をすることで、実際の本番で失敗しないようになるといったメンタル強化術です。

練習方法が知りたい人には参考になると思います。音楽を中心に紹介されていますが、もともとスポーツのコーチなので、競技系にも応用できると思います。私も参考になることが多かったです。

 

しかし、一方で厳しい意見もかなり多かったです。

読んでるだけで辛くなる内容もあり、メンタルが弱い人にはあまりオススメできません。もうちょっと普遍的なメンタル強化の本を読んでから、この本を読むのでも良いかも知れません。

それでも参考になる内容は非常に多かったと思いました。

また、何度が見直して、自身の練習につなげたいです。

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