みなさんこんばんは。
今回はマンガビジネスモデル全史 創世記篇を読んだ感想です。
漫画形式で、今までのビジネスモデルを簡便に学べると思ったので読むこととしました。
著者は?
著者は三谷宏治氏です。
元々経営コンサルタントであり、現在K.I.T.虎ノ門大学院教授兼早稲田大学ビジネススクール・女子栄養大学客員教授です。
印象に残った内容は?
Visaカードなど1800年代から現代のアマゾンまでビジネスモデルがどう変わってきたか、漫画で非常にわかりやすく解説している書籍です。漫画なので、難しいビジネス用語もなんとなくわかる気がしました。
替え刃モデルからの従量制課金モデル
これによってゼロックスは複写機という「モノ」でなく 複写「サービス」を提供する企業に変わったのです。
私が以前働いていた会社では、途中で富士ゼロックスの印刷システムに変わりました。そこでゼロックスに興味が湧きました。
1959年当時、ゼロックスは新製品を開発しましたが、値段が非常に高いものでした。そこで、ビジネスモデルを替え刃モデルから従量制課金モデルへと変え、モノではなく、サービスを提供するシステムに切り替えました。
他の競合も真似をしようとしましたが、ターゲット、バリュー、ケイパビリティ、収益モデルを一新したゼロックスには歯が立たなかったようです。
しかし、その後ゼロックスは、キャノンの印刷機のミニマム化、交換品を消耗品に変えることによる究極の替え刃モデルにより、数十年で敗北したのです。
漫画によってわかりやすく、頭にも入りやすかったです。
SPAモデル
74年には25店舗を超えついに独自ブランドGAPを冠した服を企画・販売し始めます
86年GAPは自らをSPAと呼ぶようになりました
SPA:Specialty store retailer of Private label Apparel
GAPは当時、競合の在庫日数が100日程度だったのを49日にし、さらに新商品を2ヶ月ペースで発売していました。イタリア発のベネトンも同様にSPAとして欧州を席巻しました。1980年代~1990年代は自社企画したものを大量生産して売り切るプッシュ型SPAでした。
スペイン本拠のZARAは、新商品を2週間で投入するケイパビリティを構築しました。これにより新商品投入スピードが20倍になり、2009年にはGAPを抜いて世界一になったそうです。これがファッション性の高い衣類を安く多品種提供するファストファッション型SPAモデルだそうです。
次にユニクロが出てきます。ユニクロはファストファッションという方向性ではなく、素材力・開発力を生かした商品戦略です。大ヒット商品は、繊維会社との共同研究開発で生まれています。つまり、より上流にいき、「誰も手に入らない特別な材料と機能」で勝負するという超垂直統合型のSPAということです。
見ただけで、3つものSPAモデルがあります。ユニクロは現在挑戦中とのことで、大手のGAP、H&M、ZARAに勝てるのかといったところでしょうか。GAPなどプッシュ型SPAは現代で生き残るため、モデルを変えたのでしょうか?あまり服に無頓着なので全く情勢がわかりませんが気になるところです。
感想
面白いし、漫画でわかりやすいし、歴史が好きな自分にとって歴史を知れるし、日本の企業も出てきて親近感があるしということで、非常に面白かったですね。
任天堂が花札を開発していたところから、トランプやゲームへと移っていくことも知れましたし、イトーヨーカドーの鈴木敏文氏がセブンイレブンを日本で出店したということも知りませんでしたし、非常に勉強になりました。
日本の企業も多く書かれているので、親近感が湧き、三越の元となった呉服店の越後屋の革新的なビジネスも面白かったです。
アメックスなども個人為替も不便なところから、商機を見出すという典型例な気がしました。替え刃モデルも、不便さを解消するためですし、参考になることが多かったです。
最近読んだ本のクリエイティブ・スイッチ 企画力を解き放つ天才の習慣に、馴染みやすさと革新的な新しさが顧客の心を掴むという内容がありました。
今回読んだ内容も、新しいけど、馴染めるものという微妙なラインを突いたんだろうなと思いました。
今回は創世記篇だったのですが、新世紀篇もあるそうなので非常に楽しみです。
歴史が好きで、ビジネスにも興味があるという人は読んで損はない内容でした。