海賊の作法を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は海賊の作法を読んだ感想です。

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(2021年出版)

 

昔、海洋国家の小説を書こうと思い、塩野七生さんのヴェネツィアの本を読みました。その延長として、海賊にも興味があったので読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

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著者は?

著者は山田吉彦氏(1962年生まれ)です。

東海大静岡キャンパス長・学長補佐、海洋学部教授です。著作に、天気で読む日本地図海のテロリズムなどがあります。

 

印象に残った内容は?

海賊の生活、歴史などについて紹介した書籍です。生活、仕事、戦闘、西洋海賊、東洋海賊の項目について章を設け、詳しく紹介しています。

 

海賊にも使われたマキビシ

日本の忍者が持っている撒きびしに似た鉄ビシを使う海賊もいた。鉄ビシを甲板にばら撒くと、トゲ部分が上を向くようになっていた。海賊たちは甲板で滑らないように裸足だったため、鉄びしは相手の動きを止めるには有効な武器だった。

海賊というとパイレーツオブカリビアンやワンピースのイメージが強いと思います。どちらかというとサーベルを使って正面勝負で戦っているのイメージなので、鉄びしを使うイメージはありませんでした。しかし、今書きながら思うと、ワンピースの最初の方の巻で、主人公のルフィが鉄びしを踏んでいるシーンがあったような気がしてきました。ただ、小説に応用しようとすると、鉄びしはインパクトが薄いですよね。1つの知識として覚えておきたいと思いました。

 

海賊で栄えたダンケルク

サン・マロと並ぶコルセアの基地となったのがダンケルクだ。イギリス海峡や北海で活動したジャン・バールもこの地の出身。ヨーロッパ列強が古くから領有を争った港湾都市で、17世紀半ばにフランスの領地となった。

ダンケルクといえば、第二次世界大戦で、フランス軍、イギリス軍が追い詰められた街で有名ですが、コルセアというフランスの海賊で栄えた街だとは知りませんでした。

各街の歴史を調べていくと、意外な歴史があって面白そうですね。この本でも各大陸の海賊の歴史が知れて面白かったです。

 

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パリ宣言

1856年、ヨーロッパの主要国は、私掠船免状を禁止するパリ宣言に調印。以後、敵対国相手でも略奪は純粋に海賊行為と認識され、取り締まり対象となった。

海賊たちにとって、1856年が1つの節目のようです。今までは、私掠船免状があるため、他の国籍の船に対して海賊行為ができましたが、いよいよ取り締まられるようになります。国家間が平和になったことで、単純に海賊が国家の邪魔になったみたいです。何事も、物事には趨勢があるということですね。昔はブログが流行り、今はYouTubeになり、どんどん流行りは変わっていきます。取り残された人は、そのまま死ぬだけです。自分も取り残されないように、今の技術革新の波について行きたいですね。

 

丁字戦法

ちなみに、明治時代の日本海海戦で、連合艦隊の司令官だった東郷平八郎は秋山真之に命じ「丁字戦法」を駆使してロシアのバルチック艦隊を破っている。この戦法は村上海賊を参考にしたものであった。

村上海賊ですが、戦国時代に活躍した海賊で、毛利家の主力として最初の織田信長との戦い(第一次木津川口の戦い:1576年)では圧勝しています。

その村上海賊ですが、舟戦以津抄という秘伝書を書いています。この書籍を参考にして、秋山真之は日本海海戦でこの戦法を使ったそうです。実は私は坂の上の雲を読んだことがないので、あまり秋山真之について知りません。歴史について知るためにも今度読んでおこうと思いました。

 

倭寇が鉄砲を伝えた

ポルトガル人が種子島に漂着し鉄砲が伝来したという説は有名だが、このときポルトガル人が乗っていた船は王直の密貿易船だった。王直はポルトガル人の持つ鉄砲を日本にもたらした。

今回衝撃的だったのが、実は倭寇が鉄砲を伝来したという話です。倭寇(後期倭寇)は、明王朝や室町幕府が衰えたことで、ちょうど栄えたようです。各国では、倭寇を取り締まる余裕がなかったからです。その隙に、密貿易を行ったり、商船を襲ったりしていました。そもそも、明王朝が海禁政策によって、貿易を制限したことも倭寇が盛んになった要因の1つです。ちなみに日本は銀の産地であり、さらに鉄砲が高く売れたため、倭寇は日本大名と交易をおこなっていました。色々勉強になる話でした。

 

まとめ

本書籍では、海賊の生活、戦い、各国の海賊の歴史など、幅広く海賊について知ることができます。

海賊というと、パイレーツオブカリビアンや、ピーターパンのフック船長などのイメージが強いかと思います。

しかし、意外にしっかりとした規律を持ち、むしろ当時の平民の生活よりは豊かなだった感じもします。

 

日本では特にワンピースが流行り、海賊に対するイメージが変わったと思います。

実際の海賊がどのような生活をしていたか、知りたい人には面白く読めると思います。

 

特に、ワンピースの作者、尾田栄一郎氏は、実在の海賊から名前を借りたり、イメージを借りたりしています。例えば、ティーチは悪の権化のような海賊だったと知られていますし、キャプテンキッドは、処刑の間際に、ある場所に財宝を隠したと言った時に処刑され、まだ宝がどこかにあるのではないかと言われています。

フランシス・ドレイク、バーソロミュー・ロバーツ、アルヴィルダなど、ワンピースに出てきた名前に似た海賊たちが実際にどのように生きていたか、軽くですが紹介されています。

私はとにかく面白く読めました。そこまで密度のある本ではないので、軽く読めます。子供達にも面白く読めるのではないでしょうか。

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