教養として学んでおきたい哲学 ひととおり理解するのに最適な一冊。を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は教養として学んでおきたい哲学 ひととおり理解するのに最適な一冊。を読んだ感想です。

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哲学についての初学本として、概要を掴めることを期待して読みました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
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著者は?

著者は岡本裕一郎氏です。

西洋の近現代思想を専門としており、玉川大学文学部名誉教授です。

 

印象に残った内容は?

哲学者は変人?

哲学者が”変人”だと言われがちなのは、私たちがほとんど疑わないような事柄を平気で疑うからです。私たちが時差しに目にしているものが本当に存在するのか?普通は絶対に疑わないようなことでさえ疑い、問いかけ続けるのが哲学であり、哲学者なのです。

確かに哲学者には変人というイメージがありました。

しかし、それは自分が疑わない当たり前のことを疑うということで納得しました。ただ、今まで出会った大学の哲学者の先生などは、実際に変人でした。

 

哲学の目的は”答え”を出すことではない

哲学における議論の目的は”答え”を出すことではありません。

これは非常に大切なことで、哲学においては、”問い”をだすことのほうが重要なのです。自分自身が今まで正しいと思っていたことが、はたして本当に正しいのかどうか疑う。それであって、初めて”問い”を出すことができます。

現代では、答えを求めがちになります。

学校でも与えられた問題に対して答えを見つけ、社会に出てからも最適な答えを見つけようとします。

しかし哲学では、問いを見つけることの方が重要です。今まで普通だったことに対して、疑問を持つことこそが重要です。

 

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“人生論”と”哲学”の違い

多くの人が求めているのは、「どう生きたらいいか」「どう生きるべきか」といった”答え”なのですが、これは哲学というよりも宗教に近いものと言えるかもしれません。哲学は答えそのものを問い直し、そのまま受け入れることはありませんが、宗教はそのまま受け入れようというものです。新婦の説教を信者がそのまま受け入れるように、いわゆる”人生論”のイメージというのは、ありがたいお話を聞いて、生き方の道標を示してほしいというものでしょう。

私も人生に答えが欲しくて哲学を読み始めました。

しかし哲学は宗教とは違うので、考えることことが重要とのことです。私も本を鵜呑みにせず、常に考えていきたいところです。

 

プラトンとアリストテレスの書籍

そもそもアリストテレスの本は、先にも述べたとおり、学園に学びに来る学生を対象としており、一般的な読者は対象にしていません。

その意味では無味乾燥な書き方になっています。

それに対してプラトンの場合は、多くの人に訴えることを前提に書いていることもあって、非常にわかりやすい話し言葉で展開されており、現代人にとっても生き生きと描かれているので、非常に読みやすいと思います。

そのため、哲学に初めて触れるような人は、まずプラトンの「対話篇」の短いものを読むのが一番良いと思います。

次に哲学の勉強をするとしたら、プラトンの方が読みやすそうです。

なおアリストテレスの本を読むとしたら、『弁論術』が読みやすいとのことです。

 

相対主義とダイバーシティ

これをもっと強く言えば、これまで科学というものは、正しい答えがあるというのが基本的な発想だったわけですが、1960年代から1970年代には、どのパラダイムを使って分析するかによって、理解の仕方が異なるというパラダイム論が唱えられたのです。

このパラダイムの正しさも、どれだけ支持者が集められるかが問題となっており、多くの支持者を集めたものが勝ちになるという世界では、何が正しく、何が間違いかということは、それ自体では決定できないという、相対主義的な枠組みに収められたのです。どの言語を使うか、どの基準を使うかによって、正しい、間違いの判定が変わってしまう。そういう意味での相対主義が、20世紀末に興ってきたのです。

私も相対主義派です。それぞれの人に間違いはなく、主観があるのみだと考えています。

隣のおじさんが私のことを犯罪者だと罵ってきたとします。私は違うと主張し、100人中99人が犯罪者ではないと言ったとします。ですが、隣のおじさんにとっては事実とは関係なしに、私は犯罪者なのです。つまり事実は関係なく、その人がどの考えを持っているかが重要だと私は思います。

 

ほらふき男爵のトリレンマ

「トリレンマ」というのは”道が3つある”という意味で、ある議論を根拠付けるために、その理由を問い続けていくと、次に示す3つのうちのどれかに必ず陥るという

議論です。

ひとつ目の道は、相手の答えに対して、その理由を延々と問い続けていく「無限背進」。理由を無限に問い続けるので、最終的な根拠を出すことはできませんし、いつまでたっても議論が終わらないのです。そして、2つ目の道が「循環論」。つまり、理由を問い続けると、いつの間にか最初の根拠に戻ってしまい、議論がぐるぐると回ってしまうということです。

最後の3つ目は「独断的な中断」で、理由を問われ続けていく途中で、「これが最終的な理由だ」といって議論を無理やり打ち切ってしまうことです。よく親が、「どうしてダメなのか?」と聞く子供に対して、答えようがなくなって「悪いものは悪い!」といってしまうのは、まさにこの「独断的な中断」にあたるのです。

議論をする中で、理由を問い直し続けると、必ずこの3つのうちのどれかに行き着く他にないということを「ほらふき男爵のトリレンマ」と呼ぶわけですが、「無限背進」「循環論」「独断的な中断」の3つは、すべて議論としては誤った進み方、あるいは終わり方なのです。

ほらふき男爵のトリレンマから分かるとおり、説明責任に問われるのはかなり厳しい状況になります。

説明責任を果たしたとしても、問い詰める側は「その根拠は何ですか?」といったり、場合によっては「独断的な中断」であるとして、批判することもできるからと述べています。

 

感想

内容は難しいと感じましたが、書いてある内容もそう多くないのでなんとなくは理解できる内容でした。

哲学の下地があまりなかったので今後知識を増やしていけばもっと読みやすくなるかなと思います。

哲学というものが、ぼんやりとはわかりました。

 

巻末のオススメガイドブックが非常に豊富なので、次に読む哲学書の参考になるのも良い点でした。

 

 

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