「笑い」の解剖 経済学者が解く50の疑問を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は「笑い」の解剖 経済学者が解く50の疑問を読んだ感想です。

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笑いが世の中の経済活動に与えている影響は大きいと思い、笑いとは何か理解するために読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

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著者は?

著者は中島隆信氏です。

日本の経済学者であり、慶應義塾大学商学部教授です。刑務所やオバサン、障害者といった対象に対して、経済学の観点から説明した面白い本を書かれている方です。

 

印象に残った内容は?

本書では、笑いはどのように発生するかについて紹介した後、今まで古典で笑いはどのように考えられていたかを紹介し、現代の笑いについて解説しています。

 

法務大臣の失言例

法務大臣というのはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。「個別の事案についてはお答えを差し控えます」これがいいんです。わからなかったらこれを言う。で、あとは「法と証拠に基づいて適切にやっております」この二つなんです。(会場笑い)まぁ何回使ったことか。(某法務大臣の就任を祝う会における挨拶)

この例では、大臣が辞任に追い込まれましたが、筆者がこのことについて解説しています。

失言をなされた場は後援会向けであり、この時にお笑いの4つのステップ(後述します)を満たしていたと筆者は言います。

不自然な話をしている政治家に親近感がある、祝いの席なので国会のような当事者性がない、聞き手はマジだと思っていないなどです。しかし、今はインターネットによりすぐに拡散できるので、後援会だけに止まらないことに注意が必要だと筆者は言います。

これは失言についての、一つの面白い例だと思いました。

 

ピン芸人に必要な能力

  1. 世の中に存在するボケにツッコむ(横澤夏子)
  2. 自作のフリップやビデオでボケたりツッコんだりする(バカリズム)
  3. 一人でコントする(友近)
  4. 自分でボケるだけ(ヒロシ)
  5. 自分でボケて自分でツッコむ(小島よしお)
  6. モノマネをする(じゅんいちダビッドソン)

勝手な考えですが、一番難しいお笑いはピン芸人だと思っています。コンビなら素人でも、面白さは別として形は作れると思います。一方、ピン芸人は自分一人で全てやらないといけないのでかなり難易度は高いと思います。

ただ、ピン芸人の面白さは何だろうと思っていたのですが、ピン芸人のお笑いの形を本書では紹介しています。

これは自分では分析したことはなかったのでなるほどと思いました。

 

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感想

笑いの要素ついて、多岐に渡り紹介している本です。

 

最初に笑いの4つのステップの仕組みについて紹介しています。

第一ステップ:不自然さを認知する

第二ステップ:不自然さを持った主体に親しみを持っている

第三ステップ:不自然さに対して、非当事者性がある

第四ステップ:不自然さから心が解放できること

 

これはなるほどと思いました。まずは不自然さを考え、対象への親しみを持って、さらに内容が自分と関係ない。最後に笑えるということですね。

 

面白い例が、三遊亭円楽氏の不倫を例に挙げています。

不倫会見最後のやりとりが面白いです。

記者「不倫とかけてどう解きますか?」

円楽「今回の騒動とかけまして、いま東京湾を出てった船と解く」

記者「その心は?」

円楽「航海(後悔)の真っ最中です」

記者「ハハハハハハ」(拍手)

円楽氏は、笑点で親近感を持たれ、ほとんどの人は関係ないので、非当事者性もあります。

不自然さですが、不倫という行為自体が不自然さを表しています。また、謎かけに反省の要素を結びつける事で、記者や視聴者を騒動から解放しているとの筆者の見解です。

そして、笑いでチャラにすることで、このテーマが再び持ち出されなくなることがなくなります。

 

 

以上のように、お笑いの4つのステップに従い、本書では笑いの要素を分析しています。

綾小路きみまろがなぜおばさんに受けるのかや、志村けんの笑いについても言及しています。

 

今まで見た事なかった書籍なので、面白い要素がありました。

私自身、笑いがなぜ生じるのかわからなかったので、非常に勉強になりました。

 

笑いを獲得するためには、まずは信頼関係を結ぶことと、不自然さを見つける眼を養うことがお笑いにつながると思いました。

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