みなさんこんばんは。
今回はランチェスター戦略がマンガ3時間でマスターできる本を読んだ感想です。
2019年出版
銀河英雄伝説に出てくるランチェスターの法則ですが、気になっていたので読むこととしました。
またこの本は面白そうなので近所で買って、さらに出張先で面白そうで買ってしまった本で、合計2冊持っています。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者は田岡佳子氏です。
ランチェスター協会名誉会長です。昭和59年ランチェスターシステムズの創始者である夫の田岡信夫氏の死去にともない、経営コンサルティング会社を解散。61年周囲の勧めにより会社を再興。平成7年ランチェスター協会を設立。名誉会長として現在に至る経歴です。
印象に残った内容は?
ランチェスターの法則とはどういうものかについて紹介した後、弱者の勝つための戦略、市場参入、地域戦略などについて説明しています。
ランチェスター氏ですがイギリス人であり、第一次世界大戦中に戦闘機と損害の相関を見出した人物です。ランチェスターの法則は、一騎討ちの第一法則と火力が向上した確率戦の第二法則に分けられます。
第一法則
第一法則は以下の式で表されます。
A-a=E(B-b)
A:戦闘前のA国の兵士数、a:戦闘後の兵士数、B:戦闘前のB国の兵士数、b:戦闘後の兵士数、E=B国の武器性能÷A国の武器性能
本書の例では、A国が15000人、B国が10000人で同じ性能の武器で戦ったとします。
すると、一騎討ちの法則から、A国が5000人生き残ります。
このことから、機関銃などがない時代の戦いは兵力が重要なことがわかります。そこで、人数で負けている側は敵に遊軍を作る必要があります(偏心でしたっけ?)。
ちなみにB国が5000人残して勝つためにはどのぐらいの武器性能が必要かについても計算しています。
15000-5000=E(10000-5000)
E=2
となり、2倍の武器の性能を持った武器をB国が開発すれば勝てるとしています。
ただ、上記赤色で示した5000ではA国も5000人生き残るので、勝てていないのではないかと思うのですがどうでしょうか(まあ5000対5000では武器性能の高い方が勝ちますが)。
第二法則
第二法則は以下の式で表されます。
A2-a2=E(B2-b2)
本書の例では、A国が10人、B国が5人とします。
A国では、5人からの攻撃を一人当たり1/10で受けます。
B国では、10人からの攻撃を一人当たり1/5で受けます。
つまり、A国兵士が受ける攻撃量:B国兵士が受ける攻撃量=1/10×5:1/5×10=25::100となります。
このことから、第二法則の式が導き出されます。
ちなみに同じ性能の武器で戦い、A国がB国を殲滅したとします。
するとA国の生き残った兵士数は以下の通りになります。
a=√{A2-E(B2-b2)}
a=√{100-E(25-0)}
a=8.66
つまり、A国がB国兵士を全滅させても、8人以上残ります。
これが、銀河英雄伝説の序盤で頻繁に出てきたので、この書籍で理解することができました。
また、このランチェスターの法則をビジネスに応用したのが、筆者の夫である田岡信夫氏です。
新しいもの好きな群馬県
群馬県は「新しいもの好き」という傾向があり、県内にはよそ者が多いという特性がある。そのため、新製品が売れやすい。
この特性から、北関東の実験的な市場となっている。
この書籍で知ったのですが、群馬県は北関東の実験場になっているそうです。
よく見ると、変なアイディアの店があったりと思いなるほどと思いました。また、知らなかった事実ですが、群馬県はよそ者が多いんですね・・・総人口200万人(現在は190万人ぐらい)はみんな群馬出身かと思っていました。
感想
ランチェスターの法則がわかりやすく書かれた書籍です。
私自身、歴史や戦争が好きなので、ランチェスターの法則を知れたことはよかったです。
面白かったのが、各地域の攻め方が書いてあることです。
まず一つ、西側拠点説というものがあり、東から西へ進出はうまくいかないが、逆はうまく行くという話です。これは、気象条件の移動と同じだからという説もあるそうです。
また、他の説では、北守南進説もあります。これは城の作りからきており、日本の城の多くは北側に山があるので、南側から攻めてくる敵に対して攻撃しやすい構造だからのようです。
そこで、先に北側を片付けてから南側を固め、その後北進していくのが良いそうです。
他にも、何地方は、どこの街を押さえてからどう動いた方が良いという話もあるので、とても興味深かったですね。戦国時代も同じ流れだったという話もあり、一体ランチェスターの法則とは何なのかと疑問に持ちました。
私自身近いところでは、大手とは直接同じ土俵では戦わず、第一法則、つまり一対一に持ち込むのが良いそうです。
大手は、資金力や情報力が豊富なので、同じ情報では矮小な会社は太刀打ちできません。
ブログなども同様に、大手などと同じ土俵では戦うことができません。
最近では、企業も専属のブロガーを雇い、専門の記事を書く人も増えているので、そりゃ同じでは勝てませんね。
普通では知り得ない情報を知ることができたので、面白い書籍だと思いました。