みなさんこんばんは。
今回はマルチプル・ワーカー 「複業」の時代 働き方の新たな選択肢を読んだ感想です。
副業ではなく、復業という言葉に惹かれ読むことにしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者は山田英夫氏です。
早稲田大学ビジネススクール教授です。
印象に残った内容は?
副業を考えている人間や、経営者について、副業によるメリットやデメリット、副業自体世の中的にどう捉えられているか、データに基づき紹介しています。
日本では良いイメージがない副業
米国では、1つの分野に才能を持つ人が、他の分野でも活躍することは、賞賛されても、批判されることはまずない。英語に「2つの帽子をかぶる(wear two hats)」という慣用句があるが、これには悪い意味はない。
しかし日本語で、「二足の草鞋を履く」という言葉は、その人を批判する時に使われる方が多くないだろうか。
確かに日本では2つのことをやろうとすると、もう一つが疎かになるのではないかと批判されることは多々あります。
一方で、筆者は宮本武蔵の例を挙げ、「文武二道」という2つの道を極める文化についても紹介しています。
そもそも日本ではスポーツについても、勉強はしなくてスポーツだけをしろという文化があります。これは外国ではありえないという話をハードワークという本で知りました。
私はスポーツ科がある私立高校の隣の高校にいましたが、彼らは1時限が終わると野球場に向かい練習を始めていました。
つまり、1日1時間しか勉強をしないのです。それでは、当然勉強時間は足りないと思います。これは文化なので、しょうがない一面もありますが、スポーツだけをしてれば良いという意識を変えていく必要があるように感じました(逆も然り)。
内集団志向
さらに日本人はよく、「うちの会社」と言うが、米国人は「My Company」とは言わない。米国人でMy Companyと言えるのは、企業のオーナーだけである。
「うちの会社」という言葉を発する時、無意識に内と外の間に線を引き、自分は内側の人間であると認識している。なお、日本人の「ウチ意識」は、時と場合によって、伸び縮み自在である。ある時は自分の会社が「ウチ」であるが、高校野球になると出身県の学校を応援し、オリンピックになると日本を応援する。
米国では、能力には差があるものだという考え方が根付いているので、日本のように複業については妬みやっかみはそれほど生まれにくいようです。
一方で日本では、教育の中で人は皆平等であるという価値観を植え付けられること、教師が落ちこぼれを出さないことを使命付けられるため、平等ではないことに対して強い妬みなどが発生するようです。
感想
複業について学べる書籍でした。
この書籍では、本業の他にアルバイトで副業しているという小さい内容ではなく、本業をしつつも別の会社に出向して仕事をするといった、複数の仕事を行うような意味での、複業です。
本書では、ロート製薬やソフトバンクなど、実際の企業の複業に関する取り組みが紹介されています。
本書を読んで思ったことは、従業員としては、複業すべきであり、経営者としては複業を認めるべきだと思いました。
従業員としては、収入を増やす意味でも、自分の能力を増やす意味でも複業の価値があると思いますし、経営者としても従業員の能力を活かすこと、別の分野でのシナジーを得るためにも複業はメリットの方が多いと思います。特に、複業として優秀な人材が週一日でも来てくれるようになれば、会社としては低コストでの能率アップになります。
当然、その人材が辞めたときのリスクなども生じますが、それよりもメリットの方が多いと思いました。
もちろん、複業をやった方がよいということで、明日から複業を可能にしようという簡単な話ではありませんが、メリットの方がデメリットよりもはるかに良いように感じました。
本書にも書いてありましたが、多くの会社が複業を認めていないときに複業を解禁すればメリットにはなりますが、90%の会社が複業を認めた際に認可してもメリットは薄まるかと思います。
そのため、複業を認めるならば早めに複業を認める方が良いかと思います。
従業員も、自分の才能を活かすためにも、複業に積極的に動いた方が、これからの世の中安心して生活できるようになるかとも思いました。