幻想世界の住人たちを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は幻想世界の住人たちを読んだ感想です。

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(新装版2011年出版、初版1988年)

 

WEB小説でファンタジー作品を書くにあたり、エルフやドワーフなど亜人系の種族を知りたいと思っていました。その参考にするため読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

著者は?

著者は健部伸明氏です。ゲームデザイナー、ゲームライターであり、ボードゲームを中心に活躍されています。著書に知っておきたい伝説の魔族・妖族・神族などファンタージージャンルの著書が数多くあります。

 

印象に残った内容は?

ファンタジーで有名なエルフ、ドワーフ、ゴブリン、巨人、ドラゴンなど、多種多様な幻獣についてまとめられています。大体1つの幻獣を4ページほどでまとめているため、1つ1つの内容は深くはありませんが、広く知る分には十分すぎる内容に感じます。

 

化け物になるとき

日本の古代には蛇神はわりとあふれていました。当然その性質上、水の神でしたが、ヤマタノオロチの尾から草薙の剣が出てきたことからもわかるように刀剣類をつかさどる神でもあったようです。『常陸国風土記』では蛇神をヤト(夜刀)の神といい、やはり刀に関係があります。しかし、やがて中国から龍が伝わってくると、蛇神の地位は龍に奪われてしまいます。

どの宗教もそうですが、駆逐した神が悪い神様になることがあります。例えば、制圧した国の宗教の残して、元の宗教が吸収すると、制圧した宗教の神様は悪い神様で、元の宗教と戦ったり従属することになります。

日本の蛇神も似たような例に感じました。

我々が今信仰している七福神の様な神様も、将来は新しい宗教の敵などになると思うと悲しくなります。といっても、七福神の恵比寿様以外は、外国の神様なので時代が変われば、文化も変わる好例なのかもしれません。

 

感想

ゾンビから、ユニコーン、果ては天狗など、様々な幻獣を扱った書籍です。ジャンルとしては、人里、禁忌の地、豊かなる自然、厳しい自然、異界、東方という6分野に分けて書かれています。

私が興味を持ったのは、豊かなる自然と、厳しい自然です。

豊かなる自然では、妖精や巨人、ヒドラなどを扱っています。厳しい自然では、ドワーフ、ハーピー、ラミアーなどについて記載されています。

小説やゲームの仕事に従事する人は、知っておいても良い知識だと思いました。

 

出版はTruth In Fantasyで有名な新紀元社です。ちなみに今回の書籍は、文庫版なので新紀元文庫です。Truth In Fantasyは、戦術や古代の歴史など、私が興味を持っているジャンルを扱っており、本当にお世話になっています。特に戦術など、他の出版社ではあまり扱わないジャンルの本を出版しているのがありがたいです。

 

今回読んだ幻想世界の住人たちは1988年に書かれていたということに驚きを覚えました。今の2021年では当たり前に知られていることも、私が生まれる前の1988年にはそれほど情報が広がっていないと思ったからです。

Truth In FantasyをWikipediaで調べると、RPGの黎明期に、ゲーマーがファンタジーの背景を知ることに非常に役だったとあります。

今、私は小説を書く身ですが、ファンタジー系統の種族を知るには、損はない書籍だと思います。もちろん、ただ幻獣について知りたい人も楽しめる内容ではないでしょうか。

余談ですが、表紙もファンタジー好きには興味をそそるイラストでした。