みなさんこんばんは。
今回はフィンランドの教育はなぜ世界一なのかを読んだ感想です。
教育に興味がある身としては、やはり教育水準の高いフィンランドについて知っておく必要があるため読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者は岩竹美加子氏です。
現在はヘルシンキ大学非常勤教授(Dosentti)の方です。
印象に残った内容は?
子供が幼少期の時に日本でも住んでいた筆者が、日本とフィンランドの教育の違いについて、述べていく書籍となっています。また、後半では、日本にはないフィンランドの兵役や愛国についても記述しています。
テストもない
フィンランドにテストはない。一人ひとりの子供の関心や目指すものは、異なる。子供が自分らしく発達していく事が大事なのであって、それはテストで測ることはできない。他の子供と比較したり、順位を競ったりすることに意味はないという変え方による。
テストがないというのは面白く感じました。
他の子供と比較することの意味について、確かに再考させられます。
ただ、テストが最も記憶効率を高める方法ということがわかっているので、自分自身の比較用として、テストは行っても良いのではないかと思いました。つまり、1ヶ月前と比べて何を理解したや、点数は出さなくても、相対的にどのように成長したかがわかるようにはしても良いのではないかと思いました。
順位なども、グローバルで戦うためには必要な要素の一つだと感じました。周りと争わなかったら資本主義では勝ち抜けないと思うのは、私だけでしょうか。
ちなみに、高校卒業試験は記述式のテストだそうで、試験は春と秋の2回あるようです。
日本の義務教育では性交を教えない
義務教育では性交を教えていない。私自身も、性交について学校で学んだことはない。日本の性教育は、1990年代に盛んに行われるようになったが、2003年保守系の都議が問題視、2004年に都教育委員会を経て、バッシングの動きは文科省にも広がった。
これは、私も感じています。
私自身、性交の内容を知ったのは高校3年生でした。それまで、何となくはわかっていましたが、具体的に何をやっているかはわかりませんでした。
この無知こそ、未成年での子供の妊娠や、性病などにつながる原因だと思っています。
小学校や、中学校での教育は私個人としては必要なことだと思います。ただ、もちろんセンシティブな問題ではあるので、細心の注意を払い、しっかりとした知識を教え込むのも大事なことではないでしょうか。
ちなみにフィンランドではしっかりとした性教育があり、筆者の息子が10歳程度の時に、パソコンで宿題を答えていたそうです。
高校の時間割は自分で作る
時間割は自分で作る。学習指導を専門にしている先生がいて、どのクラスをいつ取るか等、相談にのってくれる。授業時間は少なく、毎日、家を出る時間はまちまちだった。ピリオドによっては、朝8時から4時まで授業がある日が、週に1日程度あるが、朝10時頃家を出る日もあれば、午後になって出る日もある。
フィンランドの高校が、日本にとっての大学のようなシステムに感じます。
早く選択できれば、それだけ専門性も高められるし、自律性も高まると思います。
一方で、早期に選択することの難しさや、他の専門を持ちたい時に舵を取れるかが難しいところです。
これは一長一短がありそうですが、私としては似たようなシステムを塾で行いたいと考えています。自分で自分のレベルを客観的に見て、自分の取りたい授業を選択する。例えば、小学生でも数学が得意なら高校レベルを学んだりと。
これについては、もうちょっと考えていきたいと思います。
非加入を許されなかった日本のPTA
2001年、東京都杉並区立の小学校に息子が入学し、PTA加入の申込書を受け取った。そこには「加入する」と「加入しない」の2つがあり、私は「加入しない」に○をつけて提出した。1週間ほどたって、副会長と名乗る女性から電話があり、冷ややかな口調で「全校で加入しないと言っているのはお宅だけ」で、「加入しないなら、お子さんはPTA主催の催しに参加できません」と告げられた。
日本での教育の闇を感じます。
一方、フィンランドではほとんどそういった組織は無いようです。
日本の教育は、母親などの負担が非常に大きくなりますが、フィンランドではかなり軽いそうです。これは国民性の違いに当たるのでしょうかね。
感想
日本の小学校低学年(筆者の子供が保育園や低学年の時にしか日本にいなかった)の教育や、フィンランドの教育について知る事ができる書籍です。
実際に、筆者が体験してきたときのことなので、説得力があります。
どちらかといえば、日本の教育が悪く、フィンランドの教育が良いとの主張に感じました。
これは単純にフィンランドの教育システムが優れているので、そう感じたのかもしれません。
例えば、日本では電車にベビーカーのまま乗ると悪意の目で見られるのに対し、フィンランドはそれが当たり前のようであり、何なら近くの人が階段の移動などを助けてくれるそうです。
またフィンランドでは、病院なども服などは要らず、病院が準備してくれているそうです。つまり、何も用意せずに病院に身一つで行けるシステムが確立されています。
保育園などでも、名前を書く必要などもなく、行事も少なかったそうです。
日本のシステムにもメリットはあると思いますが、生活しやすそうなのは、明らかにフィンランドに感じます。
また、フィンランドでは、学校へ行くことは義務ではなく、家庭で教育を行うことも可能だそうです。
もちろん進捗が必要なので、地方自治体が子供の教育状況をしっかりチェックする体制も整えているようです(1年や2年に一度)。
このようなシステムから、日本の悪いところが浮き彫りになるように感じました。
当然日本でも優れたものはあると思いますが、親の生活しやすさでいったら、フィンランドに軍配が上がりそうです。
子供がいる人は、日本とフィンランドの教育を比べてみるのも面白いかもしれません。