内なる殺人者:アーロン・ヘルナンデスの素顔を観た感想

みなさんこんばんは。

 

今回はネットフリックスで放送されている内なる殺人者:アーロン・ヘルナンデスの素顔を観た感想です。

ドキュメンタリーやニュース番組のような話が好きなので、観ることとしました。

 

番組のエピソード数は多くなく、3つのエピソードでそれぞれ70分弱の作品です。つまり210分弱で全て観れます。

以下簡単なあらすじです。全くネタバレしたくない人は気をつけてください。

 

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あらすじ

(ある程度時系列順に並べてあるので、実際のエピソードはもっと全体を複合して放送しています)

 

オーディン・ロイド殺害容疑であるNFLスター選手が逮捕されました。

そのスター選手の、アーロン・ヘルナンデスの素顔に迫り紹介していく内容となっています。

 

彼がNFLの前にどのような人間だったかの紹介です。

複雑な家庭環境があり、彼のゲイという性癖も含めて紹介されます。

 

フロリダ大学在籍時から、アーロン・ヘルナンデス氏は一流の選手として大活躍します。

しかし、その頃から徐々に素行に問題が出てきます。素行は問題視されましたが巨額の利益を生み出す彼は、そのまま起用され続けました。

NFLでは素行が問題視され、スカウトでの評価は低く考えられていました。

プロとしてお金を稼ぐ中で、体をボロボロにし、家族との関係も悪化しつつ、悪友と仲良くなっていきます。

 

2013年6月17日に彼は、婚約者の妹の恋人であるオーディン氏を殺害してしまいます。

その後、裁判にかけられ、彼は終身刑を言い渡されます。

 

実は、彼はその前にも殺害事件に関与しているとみられ、さらに別の裁判にもかけられます。

実際のところはわかりませんが、悪友たちと共謀して犯行をしていたのです。

 

かなり不利な条件でも、その裁判では無罪を言い渡されました。

しかし、メディアに彼がゲイであることが暴露され、彼は獄中で自殺してしまいます。

 

彼は、死後に脳を調査され、重度の慢性外傷脳症(CTE)ということがわかります。これは、暴力的な行いを制御することを担っています。

感想

犯罪事件が起きたら凶悪犯が悪いという立場で展開され、そのまま詳細まで追っていくことはそれほど多くはないかと思います。

この内なる殺人者:アーロン・ヘルナンデスの素顔では、アーロン・ヘルナンデスの過去まで追い、実際どのような人生を歩んでいったかに迫ります。

 

私自身色々と考えされられることが多かったように感じました。

 

物語の主人公のアーロン氏は幼少期にレイプされ、それでも父親は厳格な人物で、「男たれ」といった思想を持っていました。さらにアメリカンフットボールでは、ゲイは嫌われる文化だったらしく、それも彼の心を蝕んでいたかもしれません。

父親もアメリカンフットボールプレイヤーで、その影響も何かしらあったでしょう。尊敬する人の期待を裏切らないといった思いもあったかもしれません。一方で、両親が暴力的で、そこで育ったアーロン氏は暴力的になったのもあるかもしれません。

最初のエピソードで、彼の学生時代の性的なパートナーも出てきます。高校時代からスターで、アーロン氏は高校時代人間味にも溢れたいたと紹介されます。

 

犯罪の一助になったものとして、アメリカンフットボールという産業の構造にも問題があるかもしれません。

薬を打ってでも利益を得るために体を消耗する生活は、スポーツとは無縁の私では考えられませんでした。

また、途中でルールが変わり、薬を打てなくなったのも、何か影響があったのかもしれません。

 

途中で、殺害されたオーディン氏も紹介されます。殺害されたオーディン氏は、アマチュアのアメリカンフットボールのプレイヤーであり、人望がある彼がアーロン・ヘルナンデス氏と対比で描かれているのも印象的です。

別の殺害事件(ボストン)で、殺された人は移民であり、一族が集まり裁判を見守る映像も、非常にショッキングではありました。

 

最初の裁判で終身刑の判決を受けたアーロン氏は、その裁判で不利と言われていました。その前の裁判では関係各者がきていたのですが、婚約者しかボストンの裁判にはきませんでした。

それでも優秀な弁護士のおかげで無罪を勝ち取り、最初の裁判の控訴に向かおうとした時に、メディアにゲイと報道されます。

 

そのことが直接の原因かははっきりとはわかりませんが、2日後にアーロン氏は死んでしまいます。

メディア自身、どの国でも同じことをするかと思いますが、メディア自身そのことに対する影響をきちんと管理する必要があります。

日本では、特にメディアの未熟さが取り立たされているので、ここら辺は日本でも考えさせられる内容でした。

 

 

CTEでは、以前死んだアメリカンフットボーラーがいました。

アーロン氏も、CTEが暴力性の原因だと医学的には発表されました。

しかし、何千人ものフットボーラーがいる中で、アーロン氏だけ殺人をおかしいという言論もあり、フットボールを言い訳にするなという主張もあります。

フットボールビジネスはアメリカでは重要で、もしかしたら脳への影響は最小限かもしれませんが、それでもビジネスであるため、収益優先はしょうがないかとも言えます。

私としては、確実に脳への影響はあるとは思いますが、ビジネスとしてやっている以上、止めるのは難しいかと思います。映像中にも、アメフトは暴力性を楽しむとも紹介しています。

 

全体的に、考えさせられる面白い番組であったと感じました。

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