ピュリツァー賞作家が明かすノンフィクションの技法を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はピュリツァー賞作家が明かすノンフィクションの技法を読んだ感想です。

(2020年出版)

 

小説を書く参考になるのではないかと思い、読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

著者は?

著者はジョン・マクフィー氏です。

1931年米国ニュージャージー州生まれ。タイム記者を経て、ニューヨーカーのスタッフライターに。著書多数。

邦訳書にアラスカ原野行森からの使者などがあります。

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翻訳は、栗原泉氏です。主な訳書に現代中国女工哀史疾走中国などがあります。

 

印象に残った内容は?

ジョン・マクシー氏が今まで記事を書いてきて学んだ経験を紹介しています。ハッキリと明示しているところもあれば、曖昧な部分もあります。指南書というよりは、読み物的に読むのが良いと思いました。

 

構成とは

構成は読者に気づかれてはならない。構成は人の骨格と同じで、目には見えないものである。また、ここに示した構成の例が語るように、構成とは題材の上に押しつけるものではなく、題材の中から生まれ出てくるものである。――これこそ、あらゆる構成の根本的基準だとわたしは思う。

深い言葉だと思いました。私は構成を書いて、表に出るようにしていました。確かに骨格は本来は見えないはずです。題材の中から出てくるようにしなければなりません。単純な時系列ではなく、工夫して構成も考えたいと思います。

 

試そう

「人は、ある一つのスタイルをほかよりも得意とし、ともすればそのスタイルに偏りがちだが、すべてのスタイルを実際に書いてみなければならない」という十七世紀の文人ベン・ジョンソンの言葉は、この過程を要約したものだろうと、私は前から考えている。ジェンダーの問題を含む文体はさておき、この一文は若い作家たちへのメッセージだと思う。

得意なことはやってみなければわかりません。私の母の口癖は、「できない」「無理」でした。しかし、私は実際にやってみなければわからないと思っています。もしかしたら才能があるかもしれないし、もちろんできないこともあるかもしれません。それでもやってみなければわかりません。

筆者も、あらゆるジャンルを書いてみることを提案しています。私は今ファンタジーに挑戦していますが、現代のノンフィクション系の小説にも挑戦したいと思います。

 

自分との戦い

誰かがあなたと同じやり方で書くなんてことはない。誰も自分以外の人と同じように書くことはできないこれは事実であり、それだから作家の間では競争なんてものはない。ほかの人から見ると競争のように見えるものは、実際は妬みやゴシップにすぎない。執筆は、厳密にいえば、自分磨きである。競争相手は自分だ。執筆を通して自分を磨くのだ。編集者の目標は、作家がそれぞれ独自の執筆パターンを生かせるように手助けすることだ。

この言葉に、とてつもなく自信をもらいました。今、小説投稿サイトはかなりの規模で、投稿者も多いです。もし投稿しても、ほとんどの人は埋もれてしまうと思います。ですが、筆者は、執筆は自分磨きと述べています。私も自分磨きとして、小説を書きたいと思います。

 

永遠に残る間違い

間違いは、どんなものであれ永久に残る。いつだったか、セイラがジャーナリズム講座で学生たちに語ったとおり、いったん活字になった間違いは、「図書館で丁寧に分類され、綿密な索引を付けられ、あるいは電子化されて、いつまでもいつまでも生き続け、時代を超えて研究者を騙し続ける。このもともとの間違いに基づいた新たな間違いが生まれ、これが繰り返されて間違いは爆発的に増えていく」のである。

これは私が疑問に思っていたことです。大学の時、Wikipediaは参考にせず、必ず本を参考にするように言われました。なぜなら、本は間違いがないからと教えられました。しかし、私は本にも間違いがあるのではないかと思っていました。

活字の間違いは致命的です。そのために、出版社などには事実確認をする部署があります。仕事量は膨大でしょうから、その仕事には尊敬の念しかありません。

 

作家とは

最初の原稿を書きながら、不安を感じるのは不思議でも何でもない。言葉と言葉を連ねていく自信がない、どうしても抜け出せないところにはまり込んでしまった、と感じるなら、また、絶対に切り抜けられない、こんな仕事は自分に向いていないと思い、書いてきたものがまったくの失敗作のように見えて完全な自信喪失に陥るなら、あなたは作家に違いない。もし、自分はほかの人とは違う見方をするんだとか、自分は十分努力しているんだと思い、「書くことが大好きなんです」などと人に言うなら、あなたは妄想に取り憑かれているのかもしれない。というのも、まだ存在もしないものを優れていると判ずることは、誰にもできないからだ。

この言葉にも自信をもらいました。小説を書いていると、自分の書いている小説はつまらないという気持ちになります。ですが、それは普通のことのようです。逆に自信がある人の方が、危ないかもしれません。私が中学生か高校生で小説を書いていれば、自信がある気持ちになったかもしれません。ですが、31歳になった今なら現実的に自分の能力を判断できるので、面白い小説を書く自信は霧散しました。とにかくつまらなくても書くことですね。

 

アクションプラン

私がすべきことを書きたいと思います。

  • 色々なジャンルを試す
  • 執筆は自分を磨くものと考える

色々なジャンルを試す

私は、まだファンタジー小説しか書いていません。ですが、もしかしたらファンタジー小説を書く才能があるかもしれないし、他のジャンルの方が才能があるかもしれません。それはやってみないとわからないと思います。色々とジャンルを変えて、小説を書きたいと思います。

 

自分を磨くものと考える

筆者は、執筆を自分磨きと評しています。私自身、小説は売れて人気が出た方が良いですし、高い評価を受けた方が嬉しいです。ですが、そのようなレベルになるのは、まだ先の話だと思います。執筆は自分を磨くものと割り切り、とにかく書くことを続けたいと思います。今、ようやく5万字ぐらい書けたので、まずは10万字を目指したいと思います。

 

感想

著者の経験をもとに、執筆で必要な要素について語っています。本書で紹介されている項目は以下の8つです。

  • 展開
  • 構成
  • 編集者・出版人
  • 取材
  • 言及の枠組み
  • 確認
  • 第四稿
  • 省略

 

この本は、執筆に役立てる指南書だと思うと、あまり評判はよくないと思います。あくまで、筆者が経験したことで、さらに執筆に使えることを述べています。つまり、読み物的な要素が強いと私は感じました。

もともとのタイトル原題は、Draft No.4 On the Writing Processというタイトルだと思います。邦訳書のタイトル、ピュリツァー賞作家が明かすノンフィクションの技法とは違うと思います。

ですが、読み物としては面白かったです。

例えば、日本の風船爆弾が、原爆の材料を作っていた工場の原子炉に落ち、原子炉を操業停止に追い込んだという話が出てきます。ですが、この話を知っている人は探しても見つかりません。確実な話以外を載せてしまうと、後て訂正することになります。先述しましたが、間違った文章は、未来永劫残るからです。しかし、訂正期限ギリギリにこの話を知っている人に出会い、実際は原子炉に電気を送る高圧線に風船がぶつかったという話を聞くことができ、訂正が間に合ったという話があります。

他には、「列車になくてはならない空気管はアメリカウナギの空気袋のようなものだ」と、筆者が文章を書きます。ですが、魚の解剖学の先生に、アメリカウナギの空気袋はかなり小さいと指摘されます。そこで、海洋学研究所の所長に聞くと、ウナギでもいいのではないかと助言が。ですが、筆者が事実確認部が許してくれませんと言うと、ハーバード大学に電話し、アミメウナギの空気袋に似ているとわかったエピソードなどが出てきます。

エピソードとしては面白い話が多かったです。ですが、小説を書くのに使えるのは、それほど多くはないと思います。筆者はノンフィクション作家なので、それも当然かもしれません。

にべもなく言うと、本書は自慢が多く感じました。母曰く、本というものは自慢するために書くものだと言っていました。確かに、本にはその側面はあるなと思いました。本書は、今年90歳になる著者が書いたものです(何歳の時に書いたかはわかりませんが)。自分の人生を振り返った時に、出てくるのは自慢が多くなるのは当然かもしれません。ですが、確かに面白いエピソードもあったので、何十年前のアメリカの記者がどのような働き方をしていたのか、知りたい方には読む価値があると思います。

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