魚の行動習性を利用する釣り入門 科学が明かした「水面下の生態」のすべてを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は魚の行動習性を利用する釣り入門 科学が明かした「水面下の生態」のすべてを読んだ感想です。

 

2019年から本格的に始めたテンカラで魚を釣るため、魚に関する知識を手に入れるため読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

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著者は?

著者は川村軍蔵氏です。

鹿児島大学名誉教授で、マレーシア・サバ大学ボルネオ海洋研究所訪問研究員です。研究分野は魚類の行動生理学と感覚生理学です。

 

印象に残った内容は?

魚について多方面から情報を提示しています。鹿児島大学の方なので、海の魚の情報の方が圧倒的に多いです。湖沼の魚は、ブラックバス(オオクチバス)やブルーギルの実験が多いですね。

 

魚は釣りの仕掛けが見えるのか?

魚のコントラスト識別能力が高いということは、我々の眼に見えにくいはずの細いナイロン糸が魚にはよく見えることがある、ということだ。我々の眼に見えにくいのはナイロン糸が背景に溶け込んだ状態のときで、見えやすいのはナイロン糸が光を反射して背景とのコントラストが鮮明になったときである。我々には見えにくい背景に溶け込んだナイロン糸が、魚にはよく見えることがあるのだ。

ラインの太さは、釣果に影響が出ることは知られています。

実験からも、ラインを確認できることは判明しています。つまり、人間よりもはるかに魚の眼は良いのです。

 

魚に釣り人の姿がよく見えるわけ

魚はヒトには見えない偏光を見る眼をもっている。この眼が偏光フィルタとして機能するので、水中の魚には釣り人がよく見えるのである(図1-3)。

海面に小波があるときは、魚が偏光フィルタを使っても釣り人の姿は見えにくいと思われるが、実はそうではない。海中に潜ってみると、確かに水深2メートル位までは小波によって海面が乱れて空中物標がよく見えない。しかし、さらに深く潜ると海面の小波によるチラつきが次第に少なくなり、5メートルでは海面のチラつきがほとんど消えてボートに乗っている人が鮮明に見える。眼に変更フィルタを持たないダイバーでも釣り人の姿がよく見えるのだ。偏光フィルタをもつ魚は、我々以上に鮮明に釣り人を見ることができるであろう。

渓流釣りでは、物陰に隠れることが肝要だとされています。

これは、実験からも証明されています。特に本中の図1-3は見え方が全然違く、魚には水中からはっきりと地上の様子が見えており、遮蔽物に隠れることの重要さを身に染みて感じました。

 

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ルアーの色を識別できる

この実験方法によって、ルアーフィッシングの好対照魚であるオオクチバス(通称ブラックバス)とブルーギルも色を識別できることがわかっている。明暗型のS電位の記録からみると、これらの魚の眼は赤い色に感度がよいことが他の魚とちがう特徴である。ルアーの色を選択する際の参考にしていただきたい。

私自身、魚が色を見分けているとは思っていませんでした。あくまで色のコントラストの違いを判断しており、色は人間を釣るためのものだと思っていたのです。しかし、実際は実験によって、魚は色により刺激が異なることがわかっています。

上記文より、ブラックバスやブルーギルは赤色に大きな反応を示すようです。ただ、これは釣れるということではなく、よく見えるという意味だと思っているので、実際にスレなどとも関係してきそうです。

ちなみに人間の色を識別する細胞は3種類ですが、魚は4種類だそうです。そのことから著者は、魚はよりカラフルな世界を生きていると主張しています。

 

どの魚にも有効な釣り餌はあるか

究極的な釣り餌は、どの魚種および個体にも有効な釣り餌である。しかし、魚の味覚研究が進むにつれて、次のことがわかってきた。どの魚種にも有効な化学成分は限定されていること、1つの群の中での魚でも味の好みに個体差があること、さらに魚の味の好みは遺伝的であることだ。これでは究極的な釣り餌は夢でしかない。だからこそ、自分が今使っている釣り餌に対する期待と不安があり、釣りが面白いのだろう。

ベテランの釣り漁師から、”最初に”釣れた魚の胃に入っているものを参考にして釣り餌の種類を決めろ”と私は教わった。

魚に好みがあることと、群の中でも差があることは知りませんでした。

またベテラン釣り師の言葉から、やはりストマックポンプ(魚の胃の中の内容物を見る道具)は重要だなと感じました。群馬県の渡瀬川はマッチザハッチが有名ですが、魚が食べているものに合わせるのが重要ですね。

ただ、魚の好みに差があるということで、テンカラも理にかなっているとも思いました(テンカラは1種類で釣り上がる人が多い)。

 

リップの役割

大型タンカーは船首に大きな瘤状の突起構造物をもっている(図4-4)。バルバスバウ(球状船首)といって、これによって生じる波が、船がつくる他の波を干渉によって消す。このため船の抵抗(造波抵抗という)を減らすことができる。漁船が近くを通った後には大きな波ができて、釣りをしているマイボートを大きく揺らすが、バルバスバウをもつ船はこのような大波をつくらない。バルバスバウが発生する渦によって船の抵抗が大幅に減り、船速が増し、さらに推進に必要な燃料が節約できる。

これは釣りというよりは、単純に知識として参考になりました。

確かに、大型タンカーなどはバルバスバウが特徴的で、そういう作りなのかと思っていたのですが、干渉によって燃料効率などを良くすることは知りませんでした。

ミノーのリップは、逆に本体が動くように設計されているそうです。

 

ルアーは魚の動きを再現できない

ここで述べた水中のルアーの動き映像は、フィンランドの先駆的ルアー会社であるラパラ(Rapala)社のホームページで見ることができるので、一度ご覧になることをお勧めしたい。

ローリングやピッチング、ヨーイングなどのルアーの動きをラパラ社のホームページで見えるそうです。

ラパラジャパンでは見つからなかったので、時間があるときにフィンランド本社のホームページを確認したいところです。

 

漁業権と資源管理

漁業法という法律がある。その第8条には、漁業を営む権利について、「漁業協同組合の組合員であって、(中略)共同漁業権又は入漁権の範囲内において漁業を営む権利を有する」とある。さらに、第10条に、「漁業権の設定を受けようとする者は、都道府県知事に申請してその免許を受けなければならない」と規定している。すなわち、公共水面で魚を捕獲する権限は、各都道府県知事が漁業協同組合(漁協)に与えている。

河川湖沼などの内水面では、水産動植物の増殖をすることが漁業の免許を与える条件になっており(第127条)、免許を受けた者がこの努力を怠ると免許が取り消されることがある(第128条)。漁協が行っている河川への稚魚放流事業は、漁業法で規定された義務の一つである。

漁業法という法律で定められていることは知りませんでした。

また、漁業の免許をもらった者は、水産動植物を増殖する義務があることも知りませんでした。私は釣りをしていますが、やはり釣り券を購入することで、漁業組合が稚魚放流できるように金銭を納める必要があります。

まれにおじさんが、「昔はそんなものいらなかったから、俺も必要ない。金は払わん」という場合がありますが、法律で決まっているので、これはどう考えても払う必要がありそうです。最近になってようやく、河川の釣り場体勢も整ってきたので、より厳格に行って欲しいところです。

 

幼魚を護る体長規制

生物学的には前長と体長はちがう。吻端(唇の先)から尾鰭末端までを全長と呼び、体長とは吻端から椎骨の末端までの長さである(図9-3)。椎骨の末端は、尾鰭の付け根で骨がなく、尾鰭を急角度に折り曲げることができる部分である。体長を標準体長ということがあるが、これらは同じもので、魚類学の専門書には体長が使われている。全長と体長のちがいを理解しないと、規則する側と釣り人との間でトラブルが生じかねない。北海道の例はわかりやすい親切な記載だといえよう。

群馬県の制限を見たところ、体長となっていました。自分は全長と勘違いしていましたので注意したいと思います。

まあ、今までキャッチアンドリリース以外したことがないので、あまり影響がありませんが、知っていて損はない情報でした。

 

 

感想

魚の習性などについて、多数の実験とともに丁寧に解説されています。

この本だけでもかなり魚の情報を手に入れることができたので、釣りをしている人は読んで損はないと思いました。

 

ただ、技術的なことはほとんど書かれていないので、あくまで魚について知りたい人向けです。

技術書などは他の本で勉強するのが良いかと思います。

 

ただ、ソナーなどの基本的な知識も書いてあったので、海釣りをしない自分には新たに勉強になることもありました。

 

 

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