心理学を学ぼうを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は心理学を学ぼうを読んだ感想を書いていきます。

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各分野の心理学について10ページ近くでまとめているため、心理学を知らない人が概念的に理解するには良いかと思います。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
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著者は誰?

著者は12人の中部大学の心理学の教員が担当しています。

各心理学ジャンルの専門家が書いているので、興味が出る内容も多いです。

 

内容は?

心理学を学ぼうでは、各ジャンルの心理学の内容が書かれています。以下取り扱っている心理学です。

  • 学習心理学入門
  • 知覚心理学入門
  • 認知心理学入門
  • 認知科学入門
  • 発達心理学入門
  • 社会心理学入門
  • 教育心理学入門
  • 学校心理学入門
  • 性格心理学入門
  • 臨床心理学入門
  • 子供の心理臨床学入門
  • 心理統計学入門

 

印象に残った内容

いくつか印象に残った内容を書きます。

人間の頭の性能が優秀(認知心理学入門)

何も描かれていないのに、ある形を知覚することができます。これは主観的輪郭と呼ばれます。

カニッツァの三角形

これは図形だけではなく文字についても同様で、膨大な知識の中から瞬時に適切な知識を選び出して利用していることが、認知心理学の結果から明らかになったそうです。

 

コンピュータにも関連しているのが認知心理学の面白いところで、以下のプロセスは人間もコンピューターも同様です。

入力→記憶・言語処理・学習→出力装置→出力

認知心理学では、人間の脳の認知活動を明らかにする学問です。一方で、コンピューターサイエンスは、人間もしくは人間以上の優れた処理を行えるプログラムを開発することだそうです。

そのため、2つの学問の研究対象は同一だそうです。この点も面白いと思いました。前回感想を書いたAI vs.教科書が読めない子どもたちで、コンピューターの開発に興味を持ったので、昔からコンピューターの勉強をやっておけばなと思いました。

AI vs.教科書が読めない子どもたちを読んだ感想

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社会的動物である人間の研究(社会心理学入門)

人間の社会生活に焦点を当て、その中でどのように感じ、考え、行動するのかを明らかにしていくの目指す学問が社会心理学です。

他者が行った行動を考える際、その行動をした本人側の原因(性格、行動傾向、気分、願望、欲求、能力など)を過大評価し、本人以外の原因(場面での環境や状況など)を過小評価する傾向を示します。

例:他者が道で転んだ際、その人が不注意だからで考え、道の凹凸といった状況要因には注目しない傾向があります。

これは、対応バイアス(基本的帰属の錯誤)と呼ばれます。

対応バイアスは他者の行動の原因を考える際には広範に見られますが、自分の行動では逆の形で推論される傾向があります。

例えば、上記例では、自分の不注意ではなく、道路の凹凸のせいだと考える傾向にあるそうです。これは、行為者ー観察者バイアスと呼ばれます。

自分にとって都合の悪いことではなく、都合の良いことが起こると、自分側の原因でそれが起こったと推測する傾向が強くなります。これはセルフ・サービング・バイアス(自己奉仕的バイアス)と言います。

 

他にも、自分の考え方や行動が最も一般的で、他社も自分と同じように行動するに違いないと推論する傾向は、フォールス・コンセンサス効果(合意性バイアス)と呼ばれています。

1983年に報告したシャーマンらは、世の中の喫煙者の割合を、喫煙者と非喫煙者にそれぞれ推測させる実験を行っています。その結果、自分が喫煙者の場合は、51%と推測しましたが、非喫煙者は38%と推測しています。つまりは自分自身の行動が一般的であると推測した結果だと考えられます。

 

他にも、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックなど、有名な内容も社会心理学の内容に含まれています。

 

心理学を学んだものの進路

以下、心理学を専攻した人の進路です。

心理職の公務員

  • 科学警察研究所研究員
  • 家庭裁判所調査官
  • 法務教官
  • 法務技官(鑑別技官)
  • 科学捜査研究所研究員
  • 心理判定員/相談員

 

病院での心理職

スクール・カウンセラー

民間のカウンセラー

心理職以外の公務員

  • 国家公務員Ⅱ種の行政職
  • 行政職(事務職)
  • 警察官
  • 消防官

 

一般企業

  • リサーチを主業務とする企業
  • 企業内のマーケティング部門
  • 企業内の人事・労務部門
  • 一般事務

 

教育関連職

  • 教員(社会科など)
  • 教育産業
  • 大学・短大での心理学教員

 

心理学のわからない部分の一つに進路があったのですが、これは参考になりましたね。

 

感想

心理学に興味がある人が、どういった心理学のジャンルがあるか網羅的に知ることができる一冊です。

幅広く扱っている分、1つのジャンルは10ページほどになっているので、この本を読んだ後興味があるジャンルの本でより詳しく調べる使い方が良いかと思います。

 

分野によっては優しく書かれているので、簡単に読めなおかつ興味を持って軽い気持ちで読むことができました。

 

一点不満があるとすれば、参考図書が古いのが不満でした。

第二版が2010年に刊行されているのですが、参考文献は若干古く1990年代の本が挙げられています。もちろん古くても良い書籍はありますが、個人的に第二版になったということで、それに合わせて参考図書も最新の書籍を追加していれば良かったなと思いました。

 

人間の本質を学べるのが、心理学の良いところだと思います。

「これをやったけど失敗したな。自分はダメな人間だ」と思うのではなく、もっと対局的に人間を見ていきたいところです。

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